New Dawn Fades

渋谷のwwwで行われたDim/SYNCというイベントに遊びにいった。久しぶりなので楽しめるかなと思ったけれど、いざ音楽が鳴っている中で半ば酩酊状態になるとどうでも良くなるというか自意識が飛んであぁこの感じという風になった。コロナ監禁状態における自意識的な生活やあまりクラブなど行かなくなった生活はあまりに偏っていたんだなと思う。物語ではなく感触、天気の良い日に日差しを感じてまどろむこと、リズムの隙間に現れる空間の建築、ロックミュージックのライブコンサートは、終始意識的な感じがするけれどテクノミュージックは無意識の領域の探索という感じで面白い。こういうこともほとんど忘れている。朝方のラーメン屋でwwwで見た男の子の集団がいて、礼儀正しく店主に礼を言って帰っていった。ラーメンの味はあまり美味しくなかった。
失われた時を求めてという長い小説を少し前から読み始めた。光文社古典新訳文庫のもので、丁寧な翻訳でとても読みやすい。少しづつ読んでいて、今は3巻を読んでいる。少年時代の情景描写が事細かに描かれていて、忘れていた何かそれは抽象性や哲学ではなくて具体的な風景の積み重ねで現れる幸福感、木々のひんやりとした感触を確かめに行くことが書かれている。朝、パンをトースターで焼いてコーヒーをいれる。部屋の中に香りが広がる。その後に本を開いて読む。この本は、通勤中にはあまり向いていない。この現代から遠く離れたフランスにジャックインするにはコツがいる。朝や休日だと調子がいい。
前職の同僚と飲みにいった。後藤くんは相変わらずギターの練習をしているみたい。今度山登りをしようという話をした。有馬くんは、Atomic Heartやばいよねという話をしていた。最近は改装ラッシュでお店に行ってもやっていないことがある。駅前のスーパーもそうだし、職場近くのKALDIもやってなかった。今日は美容室に行って、帰りにdisk unionでSam Grendelの新譜とHMLTDのレコードを買った。

Dim/SYNC

少し間が空いてしまった。暖かくなってきたので日曜日に久しぶりに外を走ってみた。久しぶりに走るといつも思うけどなんか楽しいと思う。Apple Watchを買ったのでいつもはiPhoneをポケットに入れてるけど、今回はApple watchだけつけて走るのも身軽で良い感じだ。Spotifyのオフライン再生（事前に本体にダウンロードしておけば聞けるみたいなの）はうまくいかなかった。かつては、iPhoneに映画や音楽が沢山あってそれを持ち運んでるポータブル感あったけど最近はでかいし、新たなWalkman的なものとしてのスマートウォッチを遅ればせながら感じている。なので、単体でも聞けるようにあれこれと設定をいじってみている。川沿いを走っていると犬が沢山みられる。おじさんと、紐を外したボーダーコリーが楽しそうに歩いていた。
Everything Everywhere All at Onceを見た。Discordで有馬くんがSFXを低予算だったから5人で工夫したみたいな動画をあげていて俄然みたくなった。前半は、もろにMatrixリスペクトでチープな小道具も含めてガチャガチャしているなぁと思ったけれど、後半は壮大な人生についての心理バトルというか観念バトルに展開。これは、グレンラガン的なカオス、あらゆる経験、進化は虚無につながるがそれでも生きていくか、進むのか（古くはナウシカ漫画版の問いかけ）という近年ではシン・エヴァンゲリオンでもみられたような展開で面白くはあったけどこいう究極バトルは大体似たテイストになるなぁと思った。ただ、何もうまくいってないからこそ逆説的に君はなんでもできるんだという設定が見ている人を勇気づける、アジア系のおばさんという物語の脇役に埋もれがちにどでかくスポットライトを浴びせて活躍させているのは爽快だった。税務署のおばさんもめちゃくちゃ強くてかっこよかった。ストレンジャーシングスだったら少年たちの敵になるような人が違うユニヴァースでは、エブリンとパートナーになって素敵な生活を送っている。
花粉症が本格的に辛い。アレジオンを飲み忘れて朝に慌てて飲むとかそういうのを繰り返している。春になったのに、しかし春というのは美化されてるけど不安なものだ。新しい春服が欲しい。ので、いくつかサイトを見たりしている。休みの日の3時くらいに人がほとんどいないてんやで天丼と小さな蕎麦のセットを食べるのは最高だった。冷たい麦茶が夏の到来を感じさせる。また山登ったりできる季節だというのは嬉しい。

花粉症が本格的に辛い

カセットテープが切れた。今の所、私が唯一持っているカセットテープなので、これは治さなくてはと思って調べてみたら結構あるらしく専用のテープがAmazonで売っていたので注文した。XJapanの当時のカセットテープは、最後のテープと巻取り用の部分を繋ぐ糊が乾燥して機能しなくなり再生が終わって引っ張られる時に切れてしまった。中学の時にカセットを使っていたけれど修理したりなんか考えなかった。あの頃はカセットがぐちゃぐちゃになったりしたら新しいの買おうぐらいの気持ちで捨てていた。今は貴重品になってる。あと、レコードはすごい。黒いビニールの塊なので脆くなる部分がない。色々と変遷はあったけど最終系とも言える美しいデザインだと思う。
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この日記は、Appleの純正メモアプリで書いている。Notionで書こうかなとかも考えたけれど開くときにアカウントが違う場合があったりするし、仕事でも使っているのでなるべくそういう感じはなくした。Notion AIだとか多機能だったりするのでなるべく余計な機能がないものがいい。本当は、ポメラだっていいぐらいだけれどあれをわざわざ買うのもなんだかなという感じだしiPadでもそのまま引き続き書いたりするのはやっぱり便利ではある。 
紙とペンだけとかギターとベースだけとかそういったシンプルなものはますます少なくなって貴重品のようになっていくのだろうか。
昨日からPS5で<a href="https://www.hogwartslegacy.com/ja-jp">ホグワーツ・レガシー</a>をプレイし始めた。まだ序盤だけど、ストーリーがしっかりありそうな感じが期待が持てる。アクション部分はどうなんだろうか。これからやってみてという感じか。
あるシリーズがあって、それは素敵だけれど高価だったり難しかったりする、それら全てを読みたいけど読めない。その中の一冊だけを読む。最初でもなく最後でもなく真ん中の一つだけ。今日は図書館に行ったけど改装中らしく休みだった。ハン・ガンのすべての白いものたちを読む。記憶の中の白いものたちについてのエッセイ。おくるみ、うぶぎ、しお、ゆき。白、塗りつぶされた白、平林奈緒美デザインのGINZAの白特集。カフェで目の前でおじいさんどうしが会話をしている。大阪でマラソン大会があってそれを見たか？とか。それから私は絵を描く。休日はやりたいことが多すぎてとても時間が足りない。

再生不能のカセットテープ

土曜日は<a href="https://easteast.org/2023/">EASTEAST_</a>というアートイベントに行った。サインがとても素晴らしく、音楽イベントのような雰囲気で良かった。科学技術館という施設は、初めて行ったのだけれど外壁が星型のくりぬきが沢山あったり、中の部屋のつながりも円形で繋がっていたり実験的な作りをしていて良いところだなと思った。アートイベントのサインというのはやはり気になる。2014年の札幌国際芸術祭のサインも素晴らしかった。こういう時、海外のアートイベント行っておけばなと思う。帰りに、ゴムで引っ張って飛ばすとくるくる回りながら落ちてくる子供向けのおもちゃを買った。
ニールスティーブンスンの<a href="https://amzn.asia/d/fIdH6he">ダイヤモンドエイジ</a>を読み終えた。スノウクラッシュが面白くて、その流れで読みたかったけど電子版だけで再発ということでKindle Paperwhiteを買い替えたタイミングで読み始めた感じだ。物語の中で双方向型のインタラクティブな絵本が登場して、その物語と現実の物語がシンクする。最初は、絵本のパートは惰性で書いているように思えたけどむしろそこを本気で書いているしそこが面白いと思うようになってから入っていけた。物語が与える力、それを直接的に現実に繋げること。そういえば、最近見たデヴィッド・リンチのワイルドアットハートもオズの魔法使いが下敷きになっていてとても感動した、オズの魔法使いを読み直した。絵本、物語がシンプルな形でまとまっているものに興味を持っている。
誕生日に同居人にカセットテープが聞けるウォークマンのようなものをもらった。全体的にスケルトンでチープだが可愛らしいデザインのやつ。これで、やっと退職の時に横田にもらったX JAPANのカセットテープが聞けるぜと早速流してみた。（ジャケットは、仲條正義デザイン）最初は無音だったけどカセットテープを裏返すと紅が流れた。テクニカルな演奏と高速なドラムがノイズとともにチープなサウンドで鳴り響く。そう初めての携帯音楽機のサウンドはこんな感じだった。従兄弟がおじさんに譲ってもらった真っ黒なウォークマンを車の後部座席で片耳だけ聴かせてもらった。もこもこした音、それはでも自分だけの音だった。それを小学生が持てるというのは夢みたいで羨ましい話だった。
デニーズでサンドイッチを食べながら本を読んだ。差し込む光が綺麗だった。狩野くんとSplatoonのバイトをやった。クマ武器編成祭りでその強さも相まって久しぶりに伝説帯に上がった。やった。それにしても狩野くんはSplatoonが上手い、下手くそな私に文句を言わずに淡々と良い仕事をしている。
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透明なウォークマンをもらった

1月分の電気代が５万を超えて驚いた。２人暮らしで５万円。昨年は1人暮らしでめちゃくちゃ象印の加湿器を使いまくって３万円でびっくりしていたところだがこれはきつい。なんだろう、稼いでもどこかに消えていく感じ、物価の高騰。 
何かこだわったものを仕事でも作ろうとする場合、どうしてもそれにまつわるものはお金がかかる。いろんなものを見たり聞いたりすること、機材も妥協はしたくないので色々買っているけどしばらくは何も買えないような気がする。制作のための一杯のコーヒー代。そこそこのレベルでいいとされる仕事、会社の借り物の機材でこなせるような仕事。そういったことをする人だってどこかですごい仕事をしている人の成果を参考にしているだろう。私はどうするべきなのだろうか。少なくとも今無理をしてやるというのは違う。自分にベットした掛け金はいつ戻ってくるんだろうか。生活者であること。テクノロジーの変化でそれを追い求めて何かができる人、そこに乗れずに取り残されてしまう人々。
同居人が卓球セットを買っていたので少し遊んだ。あまり動けない（部屋の広さ）けれど結構いい感じで楽しめた。家のテーブルは広くなる仕組みがついている。これを広げた時に人を呼んでパーティー開けるねということを言うけどなかなかそんな機会はない。最近、考えた節電テクニックは、食後のお茶を入れた後に、そのまんま次の湯たんぽ用のお湯も沸かしてしまうこと。そうすることでお茶を沸かした時の予熱というかちょっと暖かいのをそのまま次のやつに使える。
金曜日は雪が降った。朝、やっぱりテンションが上がって少しだけ散歩をする、公園まで行くと先に幼稚園の子供の集団が入っていくところで楽しそうに騒いでいてそっと引き返した。カメラを持って出かけたけどそんないい写真は撮れなかった。母親から段ボールでいっぱいお菓子などが届いた。少し早いけど誕生日の祝いということらしい。結構好きなお菓子が沢山は入っていた。ありがとうとLINEをした。最近、LINEでは宮田ナノさんのスタンプを使っている。しかし私が使うには少し似合っていないような気がする。あと望月ミネタロウのエッセイ漫画が出たので読んだ。だいぶ期待していたので少し肩透かしくらった気もするけどやっぱり絵がいい。その勢いで昔の作品をKindleで買ってしまった。私が一番好きな作品はちいさこべえでその次は東京怪童だ。彼のファンの人からすると後期の作品好きということになるのだろうか。バタアシ金魚も少しずつ読んでみよう。
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電気代が高い

日曜日に髪の毛を切りに行って帰りに、久しぶりにPepper Lunchを食べた。なんだか久しぶりすぎたのかだいぶ昔に、昼休みに会社の先輩と渋谷で食べた味と全然違う。その時はとても美味しく感じた。休みの日にいつもの家までの道を帰る時、特急で途中まで行って直前で各駅に乗り換えなんかしない。全部各駅でのんびり行く。Discordで少し遅らせてくださいと連絡をする。石山くんにメトロイドというゲームをおすすめされたので今度やってみようと思う。 
電車から降りたときの光の白さに驚く、冬の光は鮮明で白よりも白いなにか。そして冷たい。 
最近、口ロロの初期作品がデジタル配信開始されたけど、朝の光という曲ほどあの光の感じを表現できている曲を知らない。若者たちがみる朝焼けの感じ、あれは風景だけじゃなく内面のなにかもあってふらふらしてて強烈ないつも感じるもの。スケートボードのサウンド。
TelevisionのTom Verlaineが亡くなった。昨年末あたりから本当にたくさんのミュージシャンが亡くなっている。Televisionほどかっこいいバンドはないしあんなギターサウンドは他にはない。2枚のアルバムも何度も聴いた。音の隙間が大きくて、綺麗にグリッド上に配置されたギター、それでいてラフでとにかくお洒落なサウンド。
JAGDAの<a href="https://www.jagda.or.jp/awards/newdesigner/">新人賞</a>が発表されて、友達の石塚くんがラストイヤーで受賞していた。めちゃくちゃ嬉しかった。石塚くんを知ったのは社会人になったばかりの頃に空間現代とかをリリースしていたHeadzの周辺が好きでそこでデザインをしていた人という認識だった。待ち望んでいた空間現代2が出たのが2012年だからその辺りだと思う。最初は一方的にtwitterでフォローする関係だったが、ある時から連絡を取るようになってインターネット闇市に出てもらったり、SCOOLというHeads関連の施設のサイトを一緒に作ったりするようになった。そんな中でPUGMENTというファッションレーベルのグラフィックを石塚くんがやっていて、誘ってもらってそのサイトを作ったりもした。代理店の大きな仕事でもなく、尖った小規模なカルチャーの周辺の仕事をやっていて本当にお金がなくてきついなぁという話をしていてそれでも妥協せずに、作り続けている姿勢にいつもすごいなぁと思っていた。JAGDAなんて保守層のくだらない代理店デザイナーが取る賞だって思う人もいるかもしれない。でも、あの並びの中に入るのは本当にすごいと思う。The Clashだって偉大なバンドだけど、あれほど売れていなければ知る由もなかったしそしたらRage Aginst The Machineは存在しなかったとザック・デ・ラ・ロッチャも言っていた。これでたとえば田舎の予備校生にも伝わるね。

Pepper Lunchの味が違う感じ JAGDA新人賞とか

このブログを作ったけど、作っている時はまさか日記を書くなんてあまり思ってなかった。今まで書いたいくつかのものは少しは他の人に対して有意義とか自分という人間の文化的な側面を主張するようなものだったように思う。今はそんなエネルギーもない。ほんとにそうだ。音楽だって何を聴いたらいいのか分からない。若者向け音楽ばかり聞いてきたけど、そこに描かれている苦悩や喜びは今の私の感覚とは違う。昔も、学生時代もなんとなく世間、クラスからはみ出している気がしていたけれど今はもっとはみ出しているというかズレている気がする。そして、その頃はそれらを共有できる友達が遠くにいるかもしれないという希望があった。今はどうだろう、、少しは何かできるようになった時には全て自分が持っていたものは失われているような気がしている。たぶん、すごく疲れている。
もう少し、自分の音楽やデザインや趣味的なサークルから外の世界の人とちゃんと喋ったりしたい。私の小さなサークルの外にも分かるようなもの、そういうものが作りたい。結局作るとかそういう話になるけれど、一緒に遊ぶとかでもいいのだろう。日記はそういうものに近づくなにかだと思う。人の日記を読むと落ち着く、でもどれでもいいわけではない。日記とは疲労の共有でもあるとかどこかでみた気がする。風景や景色、そこに感じる言語化できないようなもの。些細なものが今はとても大切に思える。今日はとても寒くて一番暖かい上着を着て行ったし、手袋もした。手袋はHATRAのもので人差し指と親指が出るようになっていてそれでスマートフォンの操作などができる。ただあんまり暖かくない。昼はタイ料理のお店でトムヤムクンヌードルを食べた。いつもよりだいぶ混んでいた。みんな暖かいものを食べたかったのだろう。寒いと辛い気持ちになる。職場でもなんとなく辛い気持ちを誤魔化そうといろいろと自分の機嫌をとれそうな音楽をイヤフォンに流してみたけれどいまいちうまくいかなかった。ローソンで流れた歌で、嘘をつけば嫌われる、本当のことを言えば笑われるという歌詞が流れて不意打ちでなぜか心にきた。明日は今年一番の寒波が来るらしい。
映画RRRをみた。 
19:45分からだったので遅い時間に池袋に行って夜の感じを見たのだけれどなんか街の雑踏の感じとか懐かしい感じだった。映画は、スローモーションのかっこいい男の登場シーンで毎回笑ってしまった。あと、RRRのビームは友人のこうちゃんにに過ぎているので頭をよぎってしまう。似ているよとLINEを送ったらみんなに言われると言っていた。古典的な枠組みでしつこいストーリー描写だったけど、勇気とか不屈とかそういう普遍的なテーマはみんな同じなんだろう。だいぶ私もやらねばという気持ちになった。あと、カネコアヤノの新譜を聴いた。音がディストーションがかっていて少しいつもより優しく響いている。矛盾する気持ち、海にはなりたくないという気持ち。

日記を書くなんて思ってなかった、映画RRRをみた。

新年は晴れの日が続いていて、朝起きたカーテンの白を通過する物質によって作られた風景を眺めている。カルディのマイルドブレンドをいれる。2023年の目標とかこれやりたいとか書いてもどうせ実現などはできないしなどとは思うけれどそもそも思ったり書き留めたりしなければ実現という土台にも上がらないことなので書いてみる。
それに伴って、2022年を振り返ってみると、結構ありがたいというかラッキーなことが多くあった。以前からやってみたかった書体制作を大曲都市さんのコースに通って教えてもらいながら作ってみたり、パソコン音楽クラブ⑴の<a href="https://www.pasoconongaku.club/">webサイト</a>を声かけてもらって作ったり、Featured Projectsというデザインイベントのサイト制作に声をかけてもらった。M1グランプリでウエストランドが優勝したのもなんか良かった。どれもめちゃくちゃありがたかった。その一方で、自分で立ち上げたプロジェクトは、リリースできなかったし、このブログも夏前ぐらいにはだいぶできていたのだけれど、リリースできずに今、最初の記事としてテキストを書いている。 
いくつか断念というか、できなかったことについて考えている。
最近は、デイヴィッド・リンチ⑵の自伝「夢見る部屋」を読んだり、Wild at HeartやLost Highwayなど見たことなかった作品を見たりしてハマっているのだが、無意識的なもの非合理的だが魅了されてしまうものについて考えている。
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あるものを制作するには、どうしても必要な時間や材料がある場合がある。例えば、ここ10年くらい仕事のフレームワークとしてスプリントなどは何もない状況から状況を整理してなるべく最短距離で仮説を生み出すそれらを繰り返すなどというもの、アジャイルなどひとまずプロトタイプを作ってから周囲を巻き込んで開発を進めるというものなどがある。twitterはBlogのように書けないというものをなるべくなくしたものかもしれない。より気軽に、ひとまず出すこと。これらの方法は確かに助けになる部分も多いがそれでは作れない領域というのもなんとなくある気がする。何かが足りない、ピースが足りずに断念すること。そして別のものを進めていくうちにそのピースが埋まって完成まで進めることができるかもしれない。
非合理的だが、そこについてしつこく探求することはとても重要なことだと思う。それは、会社の利益や短期的な目線で見ればあまり有意義に見えないかもしれない。ただし、あるものを制作するときに必要なピースというのは絶対に必要でそれがない状態でものを作っても意味のない、なんとか風のものや総合しただけの（運動量競争）のような状況になってしまう。
今年は、自身を含めてそういったピースが足りないという状況にいくつか出会ってそこに対して自分の身体が反応したように思える。総合的、合理的な人は結構増えてきてでも宇宙の真理に釘を突き刺せるような探求をしているプレイヤーは少ない気がする。だから、私はそういったピースになりたいと思ったんだと思う。書体制作をしたのはそういった、燃費の悪い制作をしないと精神的に落ち着かないという状況だったのだろう。そのピースというのは時代的な機運かもしれない。
そういった意味では、今年はwebのレイアウトではなく実装的なアプローチでデザインに取り組みたい。Reactやweb GLといったwebでのビジュアル表現についてもう一度取り組んでみたい。線的なものではなく、流体や空間、My Bloody ValentineやFenneszのサウンド。P5.jsでもいいかもしれない。
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他には漫画を描きたいと思っています。年末に、youtubeで<a href="https://www.youtube.com/@user-wo3pq4yi9h">よめ子</a>というDIYチャンネルの人が同人誌を作ってイベントに出すまでをやっていてその行動力（今までは金槌使ってたのに、絵も描けるんですか）にびっくりしたし、自分でもやりたいと思わせられた。漫画を描くというのは今まで何度かチャレンジしてきたが、とにかく私にできないのはストーリーを作るということ。そこに対しては、何もできないという諦めがいい加減ついたので物語作りのフレームワークや創作の勉強をしてテンプレでもいいから何か形になるものを作りたい。自分がコンプレックスを持っている領域というのは、可能性なんだと最近は思う。コードを書くことも書体を作ることもできないことにコンプレックスを感じていた領域でもある。
さらにもう一個は、自身のプロジェクトを世に出すこと。会社でも個人のポートフォリオなどでもない、周りの人の助けになるようなものを作っているのだが、止まってしまっているので再開させたい。なんのために制作をやっているのか、周りの人の活動を助けられること、今の雰囲気に合わせるだけでなく自分の考え方やスタンスを提示していくことも大切なことだと思う。めちゃくちゃセンスの良いものを一点もので作るのもいいけれど、もう少し普通の人々が使えるようなもの。それはAppleや無印良品がやっているような普通の生活の中でシンプルで気持ちの良いものを作ること、アーティストではなく工務店的な働き方。建材を自分で触ること。
３月のライオンのあるシーン⑶で棋士が人は情熱を失うと成果が欲しくなり、最短距離を探し始める、しかし最短距離は「みんなが持っているモノ」しか落ちていない。その中で「みんなが持っているモノ」を投げつけあっても勝負はつかない。しかも近道選んで歩くと体力が落ちてますますお得な道を探したくなると書かれていた。
HosegirlというバンドはAnti Gloryという曲を出した。 
私も若手と言える年齢ではなくなってきたので、ちゃんとプレイヤーとして作れる時間は限られてきたように感じる。その中でやはり、ちゃんと自分の限界とかダサい部分を曝け出していきたい。
自分がやってもいないのに、高く見せようとしたりせずにめちゃくちゃ頑張ったけどここまでしかできなかったとか、センスが古くてダメだとか、それは自分の心の奥底で良いと感じたものを隠さずに出せばきっと伝わるし、なんとなく雰囲気で誤魔化しても何年かすればまるで意味がなくなるものじゃなくて次の人にバトンが繋げられるようなものを作らないとダメなんだと思う。マジで今年とかやらないと下にいくらでもすごい人がいるのは見えているのでやる。綺麗事ばっか言ってるなと思うかもしれないが、ブログなどというのは自己啓発なんだからこれは俺が俺を励ます文章なので気にせずかけ、書くんだ。とにかく下から行く。建材を触る。そして、ちゃんとダサいと思われるようなものを作って引っ込まずに前に出ていく。SLUM DUNKの映画版、ある人間がいたとしてその人間が活躍するまでに多くの人の助けや出会いがあったこと。なるべく険しい道を選んで歩いていく年にできたらいいと思う。

2023年のなんとか

独立系タイプファウンダリのすすめ 2023

武蔵野美術大学を卒業して、半年ぐらいバンド活動的なことをしたりサカイ引越センターのバイトをしたりをして親から白い目で見られるというありきたりな時間を過ごした後に、私はなんとかwebデザインやその頃盛り上がり始めたインターネットに繋がったデバイス体験などを作ろうとしている<a href="https://uniba.jp/">会社</a>に入った。 
それは2010年ごろのことで、それからパソコンの前で重いAdobe Photoshop⑴を立ち上げたり、sketchを開いたり、figmaを開いたり、githubにpushしたりしたり己の無力に身悶えたりしながらそういった活動を今この瞬間までとりあえず続けている。
この文章は、webデザイナーの過ごす「時間」について綴られる。
時間は半分しか存在していない。つまりは我々はいつでも忙しく生きることができる。
Webデザイナーはデザインにおける創造性と、プログラミングにおける創造性をどちらも使うことができる。 
ただし、一般的なフローにおいては、デザイナーが渡したデザイン画からエンジニアがブラウザ上などで動くようにする。その際に、多くのデザイナーは上がって来たものに対して何かしらの違和感やこうすればよかったと言う感想を抱くだろう。 
それは、ブラウザという環境では書体のレンダリングの違いやブラウザ幅のダイナミックな変化やパソコンに向かう時の気持ちがsketchを見てる時と違うとかいろんな要因があるが何かしらひらめいたりざわついたりする。そして、そういった小さなざわめきはプロジェクト管理の名の下に押さえ込まれる。
真にエンジニアをリスペクトする点があるとすれば、それは彼らが未知のものに向かっているという点である。デザイナーはイラストレーターの使い方を知っているし、GUIツールの使い方はある程度で覚える。ただ、プログラミングにおいて新しい言語などに取り組む際はなぜこのコードが動かないのかが分からない、つまりは丸一日を、ただただ唖然としてエラーの探索につかってもなお分からないというまるっきり生産性のない時間帯というのをいくつも経験しているはずだ。我々は彼らのその点においてお金を支払っているとも言えるのではないだろうか。 
ライブラリーやフレームワークという名のブラックボックスの中を探索し続ける粘り強さ、仕様書の更新を眺めて該当の箇所を探し当てること、セキュリティーやアクセス数といった、翻ってサーバーなどの物理的な部分とつながるような部分の責任を持つということはそのコードの内容以上にエラーを修復するような能力、つまりはより多くの範囲のプログラミング知識が必要となるということだろう。 
プログラミングをただのデザインを再現するものとして扱う人間にはそのような未知のものへと向かい続けなくてはならないという心持ちがわからないのではないだろうか。 
特に私のような、デザインを基盤としているプログラミング音痴の人間はその未知のものへと向かう際の解決能力がとても低くなぜ俺はこんなに分からないことばかりをやりつづけないといけないのか、ちゃんと一応手を動かせるようなことをやって技術として積み重ねる方がずっといいんじゃないだろうかという葛藤を毎日抱えることになる。 
それは、定型化されたグラフィックデザイナーや職人的な在り方への誘惑でもある。
しかし、真に価値があるかもしれないものは全くもって生産性がないかもしれない領域で探索した時間のなかにあるはずだ。
Webデザイナーに必要なものはそういった変化する中間の領域にとどまり続けることであるならば、時間の半分は自分にとって未知なものとの接触に当てられることになる。
デザインとはsketchやイラストレーターなどのツールを扱うことで半分はプログラミングというのではない。自分が扱える範囲のプログラミングは既にデザインの一部である。残りの半分とはまだ習得できていない言語であり、まだ作ったことがない領域、または方法のことである。 
未知のGUIツールもまた同じである。プログラミングに比べて優しいというイメージがあるがUnityにしてもBlenderにしてもFlamer Xにしても自分にとって新しいGUIツールを使い始めるということは大きな困難が伴う。その困難の痛気持ち良さを楽しめるかどうかを迫られている。
つまり、時間の半分は技術的な向上ではなく何かしらできないことの出来なさと向き合う時間なのだろうか、そんな生活を送ることがwebデザイナーなのではないだろうか。
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時間は半分しか存在しない「webデザイナーの半端さについて」

2021年になった。 
とても寒い冬で各地で雪が降り、東京は年明け早々に非常事態宣言が発令された。年末に、サウナでぼんやりとテレビを聴いているとトランプのニュースや菅首相の血も涙もない会見、この世界がまるでフィリップ K ディックが描いたディストピアそのものに思えてまるで他人事のようなぼーっとした気分に襲われた。
2020年は多くのものが変わった。それが良かったのか悪かったのかは分からない。いくつかの仕事は無くなった。観光客目当ての商売は軒並みたち行かなくなった。それは、日頃の不誠実さが暴かれることでもあったが誠実な人々でさえも仕事を失った。人が外に出ることがなくなる、中間領域がその行動の途中にあるようなものがなくなってしまった。テレワークという言葉。パソコンを前にできる仕事。それらをできない多くの人がいる、変化に乗れない人々、体を使う仕事。駅の重要性は低くなった。貧しい人は、UBER EATSの配達員になった。それは、決して立場が逆転しない、たとえばデパートの従業員が休日に接客してもらうように立場が時によっては逆転するということもないただただ格差の様子を描く。UBER EATSの配達員はUBER EATSをあまり頼まないだろう。現代の奴隷制度、そこから起きる強盗事件はかつての富豪を襲う貧民のようだ。
80年代や90年代のような個人の独立なんて夢のようだ。もはや、私たちは互いに助け合わなければならない。日々の生活を生きるだけでいっぱいなのにそういう現実はないかのように振る舞う。給料は決して上がらない、その代わりに副業をしろという、平日は会社勤をして休日は副業をする。それがやりたいことをするということなのだろうか。
朝起きて、スマートフォンをつける。 
仕事があるだけマシなのか、Slackに書き込む。かつてインターネットは逃げ場でもあったが今はただの現実そのものになった、現実とインターネットが逆転したのか、SNSは綺麗事が飛びかい現実の飲み屋でそれらから外れた秘密の共有がなされる。
インターネットは、心を束縛してくる。ろくに仕事をしていないんじゃないかと誰もが不安になっている。コワーキングスペースもテレワークも工場労働以下の環境だ。コワーキングスペースの卓球台や素敵な植物はその仕事の本質的な無機質さ、辛さを覆い隠すために存在している。 
工場労働の方が労働のためのスペースを用意している。自由な働き方という名のインターネットによる束縛や支配、それらは物理的な制約がない分、働いていない時間まで労働者の心に制約を課している。誰もが、不安感に苛まれている、裁量性という名の管理放棄、もはや管理ができていない、ここまでやれば良いというアウトラインを決めていないのに、どこか働きが不十分だと思わせる、そういう管理職事態も必要がない。必要のない会議、ブルシットジョブを入れて不安を和らげる。このコロナの最中でデヴィッド グレーバー⑴が亡くなった。
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webデザインの仕事をする。 
昔からの知り合いのデザイナーの方の紹介でホテルのサイトを作っている。爽やかな青年風の男性のディレクターという人がホテルの構想について話してくれている。ディレクターが作った資料を読んだが吐きそうになった、おしゃれな路線、いけてる何かになりたいのは分かったが俺なら絶対泊まりたくないようなコンセプト、何かを残そうとすること、ダサいならダサいでシンプルでいい、そんな考えではダメなのだろうか。自分の脳内を再現してほしいのだろうか。 
それから、2回か3回かのデザイン案を見せた後、企画がどうたらという理由で私は担当を外された。おそらく素敵なシンプルなデザイン、みたいなものに答えられなかったからだろう。自分なりに譲歩したが無理だった。その仕事の最中に大きな口内炎ができてずっと治らなかった、自分のストレスを自分で気付けずに代わりに体が表現している。そこで、口内炎の薬を飲むことを覚えた。
あまり人当たりのいい性格ではないので、デザイナーとして今後も長く続けていくなんてことはあまり考えられない、だからといって他にやれそうもないところが辛いところだ。 
都内の狭いワンルームに住む独身である私はコロナ期間の過ごし方が難しかった。風呂も沸かせるようなものでもなく、たまに銭湯に行く前提だったりしていて街の機能ありきで生きている身としてはリフレッシュが難しかった。 
一度、あまりに飽きてきたのでだいぶやすくなった都内のおしゃれなホテルに泊まった。ルームサービスもバーもやっていなかったけど普段なら泊まれないようなところに入れるのは嬉しかった。そこで久しぶりにお風呂に入った。
中野のスーパーも、コロナが始まった頃あらゆる食材がなくなっていた。冷凍食品やスパゲッティーといった保存食やバターやなど。それらがなくてもあまり困らなかったが、どことなく不安感はあった。備えがあまりないこと。またこうやって最も簡単に日常が崩れていくこと、それは震災のあった2011年を思い出させた。マスクを買えなかったが、私は両親から20枚ほどもらったのと彼女からもいくつかもらった。それのおかげで助かった。
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レコードを聞くのは楽しい、レコードを買うのも楽しい。ジャケットだけでもかっこいいのに音楽まで聴ける、2つの役割がある。それは本も同じでそういうものが好きだ。Iceage⑵というバンドはロックダウンブルースという曲を出した。SLACKもそのようなコロナについての人々の曲を出した。ただ、私が聞いて楽しい気持ちや落ち着いた気持ちになれたのは少し前のそのような状況とは関係のない曲だった。KID FRESINOはNO SUNという曲を出した。それは、悲観的でもなく抵抗的でもなく今を歌ってるようで優しかった。年末に出た、Rondoという曲も悲しいまでに美しい。人に会うなと大人が号令する中でしなやかに繋がりを持ち続ける、爽やかさ、少しのノスタルジー。銀杏BOYZはテレビの番組で女優の松本穂香さんと真夜中の散歩をして、ラブホテルで語り合っていた、その中で歌う歌は心に響いた。
テレビ千鳥が深夜2時から10時に上がった、初回は河原で石を拾うという企画だった。深夜の最後の回で大悟がお笑いど真ん中と言って拳を突き出してださいと笑われるくだり。それは本心でお笑いを再起動しようとしている。それは、死んでしまった志村けんの笑いを今によみがえらせることも含んでいる。オードリーのオールナイトニッポン、生きることをラジオが中心であるかのように若林は出来事を話す。普通で止まるところをラジオのネタのために踏み込む。
中野の銭湯で昭和湯という場所がある。いつも昭和歌謡が流れている。風呂の温度熱く、設備はだいぶボロいがなんとなく居心地がよい。夜中に行くといつも来る客がいる。彼は、長髪で中性的な見た目をしていていつもすぐにサウナへと入っていく。深夜の銭湯はあまり人もいないのでその時間を狙っているのだろうか。ある時、サウナに入った時に彼はおじさんに話しかけられていた、すごく古いグループサウンズの話をしていて若いのによく知ってるねぇみたいな感じで話をしていた。彼はどうやらミュージシャンのようだった。どんな音楽をやっているのだろうか。とても古い音楽を知っている。やっている音楽がかっこいいといいなぁと思う。
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年末は、どこにも出掛けられれずに家で過ごした。例年なら、高校の同級生や予備校時代の友達と集まることが多いが今年はそれもできなかった。会社の小さな集まりと友達と後輩と下北沢で少し飲んだくらいだった。今年は、テレビ千鳥のDVDと北野武のブルーレイを配った。あとは本をいくつか。感染者数が増えたこともあって、コロナが始まった頃のように本を買った。戸田ツトムのユリイカは面白かった。彼はいくつかの方向に開かれている。デザイン、タイポグラフィーを追求するいわゆるグラフィックデザイナー、初期のMacを使いDTPの可能性を探る人、またそれらを使いCG表現を使うメディアアーティスト、そして難しい文章を使う独自の思想家、それは彼が装丁を担当したフランス現代思想とも繋がるような哲学の地平に繋がっている。さまざまなタイプの人がテキストを寄せていた。戸田ツトムの逸話の中でも筑紫明朝体の製作に携わった話が好きだ。若い頃の藤田重信さんの話だ。杉浦康平などに対して魅力を感じないのに対して、戸田ツトムに魅力を感じるのは新しいメディアに対する実験精神のようなところ、それこそ現在の実験的なモーショングラフィッカーやクリエイティブコーダーのような側面があるところが大きい。
年末はマーク・フィッシャーの本も再読した。資本主義リアリズムと我が人生の幽霊達。この2冊は友達にあげたのでまた買った。Joy Division論のところは何度読んでも素晴らしい。JoyDivisionの黒さは、PILよりも黒い、ベースを主体とする曲の構造においてよりブラックミュージック的であるみたいな暴論も含めてJDを現在において立ち上がらせる。音楽において、かつてのクラフトワークやオウテカほどの革新性は来ない、穏やかな未来の消去、その無力感と倦怠の中のうつの中の奇妙な幸福感。
この未来の消去という感覚が一番しっくり来たのが、サイバーパンク2077というゲームをやった感覚だ。サイバーパンク2077には、あらゆるポップカルチャーのオマージュが入っている。主題としても、ロックバンドのメンバーがテロリズムに走るという場面もあり1990年代くらいまでの音楽史、またそのあたりに作られた映画や小説の残骸で作られれている。2020年にリリースされたにも関わらずその時間の蝶番は外れてどこかに置き忘れてしまっている。ノスタルジアの塊、それはバグの多いゲーム性も相まって過去の亡霊達の住処のような様相を見せている。UIデザインにおいても、クリシェ的な表現にとどまっておりアイアンマンなどで作られた新しいスクリーングラフィックスにおける実験も存在しない、サイバーパンクはもはや未来ではなくある分野のフェチズム、ノスタルジアの表現となってしまっているのだ。
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今はiPad ProのNotionの画面を眺めながら、Burialのレコードを流しながら、twitterのタイムラインを眺めながら、歯磨きをしながら、文藝の最新号の小説を読み終えたところだった。未来はわからない。不安定なものを見ないようにしたりないものにすると人は何か別のものになってしまう。私はいつも不確かなままでありたい。確固たる自分などいらない、上手くならない、過去の形式にフィットすることを良しとしない、未知のストレンジさに向かう。そして低いほうから憧れていたい。